神話のふるさと出雲 姫神伝承を巡る旅

出雲地方は神話のふるさと、神話の国として有名ですが、ここでは今まで注目されなかった姫神を紹介したいと思います。古代の出雲は姫神を通して日本各地と関係を持っていました。

(1)須勢理姫(スセリヒメ)

大国主大神の正妻。大国主命が根の堅洲国(地底の世界)にいるスサノウ命のところに行った時、最初に出会ったスセリヒメと一目で恋に落ち結ばれた。これを知った父親であるスサノウ命は怒り大国主命に厳しい試練を与える。耐え切れなくなった大国主命は、スセリヒメと駆け落ちをする。根の堅洲国から地上に二人が出たとき、スサノウ命は二人の結婚を認め、地上の王になることを勧める。その後、大国主大神は対抗する神々を滅ぼし地上を治める。このスセリヒメは、大国主大神の浮気が気が気でなく、よく嫉妬をしていたと伝えられている。

(2)八神姫(ヤカミヒメ)

八神姫神話は古事記に記されている。有名な因幡の白うさぎ神話は、大国主命の異母兄弟である八十神(ヤソガミ)達が大国主命を従者として袋(現在の旅行かばん)を背負わせ因幡にいる絶世の美女八神姫に求婚する旅をしているときの物語である。白うさぎは、求婚に来た神々の人物を調べるため八神姫の使いとして派遣された神と言われている。白うさぎの報告を受け、八神姫は兄神達の申し出を断り一番みすぼらしいが、知恵と優しさのある大国主命を結婚相手に選んだと言い伝えられ、そこから兄神達の大国主命に対するイジメが始まり、命を落とすが復活するなど物語が展開していく。

(3)ヌナカワ姫、ミホススミ姫

 古事記によれば、大国主命は越の国(北陸地方)にいるヌナカワ姫に求婚しようと出かけ、恋焦がれている様子を愛の詩にして唄う。ヌナカワ姫は、詩で返す。こうした詩のやりとりがあった次の夜に二人は結ばれる。ヌナカワ姫と大国主命との間にできた御子神がミホススミ姫である。島根半島東端に美保関があるが、美保の名はこの姫神が由来と伝えられている。有名な国引き神話において、美保関を引いてきたのは越の国からと言われ、因縁が深い。なお、ヌナカワ姫は翡翠の女神でもある。

(4)キサカ姫

 出雲国風土記では、佐田大神の母神であるキサカ姫は、カミムスヒの御子神であるとされる。カミムスヒはイザナギ神・イザナミ神よりも前の造化三神の一人である。キサカ姫は記紀神話のキサカイ姫と同神と言われている。大国主大神が兄神達の計略により焼き殺されたとき、カミムスヒがキサカイ姫とウムカイ姫を派遣して大国主大神を蘇生させる。佐田大神が生まれるとき、母神のキサカ姫は、「なんと暗い岩屋である」と仰せられ、金の弓矢で岩を射通してしまう。このときにできた洞窟が現在の加賀の新潜戸(観光名所)と言われている。

(5)溝杭姫

 美保関の美保神社に祀られている事代主命(えびす様)が中海の対岸にある揖屋(現在の東出雲町)にお住まいの美しいミゾクイ姫の所に船で通っていたとき、夜明け前に鶏が鳴いたため、もう朝になったと勘違いされたえびす様は、あわてて船で美保関に帰ろうとして櫂を海に落とされた。やむなく足で船を漕いでおられたらワニに足を噛まれてしまわれた。それ以来美保関では鶏を入れることを禁じ、近年まで美保関では鶏肉・鶏卵は食べることができず、あひるの卵で代用していたと伝えられている。

(6)奇稲田姫(稲田姫と同じ)

 古事記では櫛名田比売、日本書紀では奇稲田姫と表記され、一般的は稲田姫と言われている。ヤマタノオロチ神話でクシナダ姫を貰い受けることで、スサノウ命はヤマタノオロチを退治した。姫を櫛に変え髪に刺して戦ったと言われている。クシナダは美田、豊饒を意味する名前である。現在の奥出雲町横田でお生まれになったと伝えられている。松江市にある八重垣神社は、恋占いで有名であるが、スサノウ命がヤマタノオロチ退治に当って、クシナダ姫を八重垣を作って隠した場所と言われている。

(7)湯姫大明神

 江戸時代に玉造温泉街の南端にある玉作湯神社を湯姫大明神として人々が親しんだと言われている。湯姫は湯舟から転化したものではないかと言われている。玉造温泉には湯の姫神様がいらっしゃるため、千年以上お湯が沸き出てつきることがない。このお湯に浸かると肌はすべすべになるし、色々な病気は全て治ると人々は信じていた。このため大明神と言われたのではないか。ちなみに大明神とは霊験が直ぐに現れることを言うとされ、効果が直ぐに顕れたことから大明神と言われたと伝えれている。

 (8)玉日女

 出雲国風土記によれば、阿伊の里に住む玉日女を恋慕った和仁(ワニ、鮫のこと)が日本海から斐伊川を登って夜な夜な通い来たので、姫は大岩で川を堰き止められた。拒まれた和仁は一層激しく姫を恋慕ったと言われている。その伝承から、この地域の地名は「和仁のしたぶる」が訛って「鬼の舌震い」と呼ばれるようになったと伝えられている。鬼の舌震いは奥出雲町仁多の景勝地である。

(9)多紀理比売(タキリ姫)

 出雲大社本殿に向かって左側に筑紫社があり、タキリ姫が祀られている。福岡県の宗像大社に祀られている宗像三神のお一人である。

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